聞こえるはずが無い声が聞こえたなら、普通なら驚きや恐怖を感じるのかもしれない。
でも今の私は何故か平然で居られた。
枕に沈めた顔をゆっくり持ち上げて視線をさ迷わせると、そこには1人の青年が立っていた。
『あなた…誰…?』
真っ暗だった部屋に微妙に月明かりが差し込んでぼんやりと姿が見えてくる。
黒いスーツを着こなして、姿勢よく佇んでいる。そして、その人はこう言った。
「死神だ。」
―と。
"死神"
本当に居るんだ。死者の魂をあの世へ導く役目を持っている…だっけ?あまり詳しい知識は無いけど…。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…