「今頃は玄関辺りですかね。…ティナが追い払いました」

『…そう、ですか…』

ルナの顔は安心した色も見えたが複雑な心境も伺える。

「―お母様と話したかったですか…?」

『…あの…お姉様に何かあったのかなって…』

「…っ…」

―ガチャ

「ふぃ~…やっと入れた~♪オバサン帰ったよ♪って…何か暗くない?大丈夫?」

岳の腕には満足気に毛繕いするティナが抱かれている。

―この場で言うべきなのか…?… それとも“ 彼女 ”の意思に委ねるか。