「…お父様は怖い方なんですか?」

ピクッと強張らせると手にも少量の力が込められた。

『…怖くはなかったけど…神経質な人で…世間体を気にしてました。表向きは優しいけど…私が居ない所では…っ…私の事……』

彼女の瞳からポロッと一粒滴が落ちて俺の手の甲を濡らした。

「……?」

『私の事は…要らないって。病気を抱えて…莫大な治療費がかかるだけの…ただのお荷物って…』

「…!!?」