―パチンッ

その人が指を鳴らした瞬間、
二人は姿を消し、私はその場にしゃがみこみ呆然と彼等が居た場所の一点を見詰めていた。

『…っ…やだ…行かないでっ……!』

呟いた言葉は虚しく部屋に消え、静寂な時を刻む。

『連れてってよぉぉーっ!!!』

私は再び膝を抱えて泣きじゃくり、泣き叫ぶだけ叫んだら疲れ果てて―いつの間にかそのまま朝を迎えた。