頭の中で私の声が聞こえる。



『忘れたい』



『なんで――じゃなきゃダメなの…?』



『陽奈生でもいいじゃない』



『なのに、どうして…!』



やだ、やめて!思い出したくない。



何を忘れているのか分からない。



けど、頭の中で叫ぶのは中学生の頃の私。



『忘れたい』私は確かにそう言った。