またエレベーターに乗ったが、上に行く気がしなくてサロンがある二階へ向かった。

サロンのスタッフの噂話が気になって来てしまった。
京子は深呼吸をしてドアの前にたった。

自動ドアがあき、店内に入ると、松本から時々香る匂いと優しい光に包まれた。

「いらっしゃいませ。」

「お店の雰囲気が気になって、予約もしないできたんですが、素敵なサロンですね。」

「ありがとうございます。」

「エステがしたくなったわ。今からしてほしいところだけど、だめだったら予約して帰ります。」

「少々お待ちください。」
と受付スタッフは奥へ行った。

全身高級ブランド品で身を固めた京子は、もちろん時間とお金があまっているセレブに見えた。

受付スタッフは店長の理香にそのままを伝えた。


「ぜひ会員になってもらいたいわね。」


「店長、どうしますか?」

「わかった。私は次まで2時間あるから、フェイシャルだけでもと、話をしにいくわ。まってて、すぐ行くから」

髪を整え、口紅をひきロビーへ向かった。

京子は一目で、松本を忙しくさせているのはこの女だと直感した。

松本の好みが体型、髪型、口元から感じ取れた。