夜景を見ていた。

緊張しているから、どれくらい待ったかはわからないが、いよいよその時がやって来た。

入り口から足音がし、私の目の前の窓ガラスに、キャップをかぶった人が反射して写っている。

来た!私は立ち上がり彼を直接みた。

そこには本物の青木領が私に優しく笑いながら歩み寄ってきた。

とにかく、格好いい。
もうこの時点で私の思考回路は壊れてしまった。

「初めまして青木領です」とキャップをとった。

近くで見た彼は予想以上に細くでも男らしく、本当にきれいな顔をしていた。

ふと我にかえり、
「春野ちひろです。今日は楽しかったです。ありがとうございました。」私はあなたの目にどう写っているんだろうと不安になった。

彼は席に着いた。
続けて私も座った。

目の前は夜景、左側には青木領、もう何も要らないと思った。

この時、向かい合う席じゃなくて本当によかったと思った。

何を話せばいいかわからない…
その上、彼の横顔がとても素敵だったので、私はこのままずっと見ているだけでもいいと思った。

こっちを向いた。

彼はシャワーの後、すぐに来てくれたみたいで、髪がまだ少し濡れていた。