屋上ではサラを呼び出した3人が
スタンバイしていた。



坂本健太・小川優樹・
そしてあの汚い字の主、浅野修吾だ。
この3人実はこの学校でちょっとした有名人。
スポーツ万能、成績優秀、その上イケメン。
元々3人とも中学は別々だったが
小学校の頃からバスケットで繋がりはあった。
中学ではよきライバルとして競り合い、
今は同じチームメイトだ。



「なぁ……ほんとに来んのか?」

「てかさ……俺はそもそも顔知らねーし(笑)」

「顔は俺が知ってればいーんだよ!!それにくる!!」

「なんで?根拠は?」

「呼び出されたら気になってくるだろ?」

「まぁそうだけどさー(笑)」

「つか何でその子なんだ?」

「何となくだよ……何となく見付けた!!」

「なんだそれ(笑)」



ほんとは何となくなんかじゃない。
不覚にも俺の一目惚れだ……。
そう……あれは受験の日。
あいつは俺の隣りにいた。
全部の科目が終わった時……



「終わったぁー!!ねっ♪」

ふいに隣りにいた俺に話し掛けてきた。

「でも英語難しかったぁー。
私英語苦手なんだよねぇー」

そう言って、ペロッと舌を出して苦笑い。

「一緒に合格出来るといいね♪」

そう言ってあいつは席を立った。



…………………………。
きっとあいつにしたらあの言葉に深い意味はない。
そんな事はわかってる。
だけど……
あいつのふわっとした柔らかな笑った顔に
不覚にも俺はやられたんだ……
きっとあの時、俺は……
一目惚れしたんだと思う。