「……すみ、ません……あの、私こうやって優しくされるの、慣れてなくて」
けれど声は震えてしまい、隠せていないのは明らかだった。
女性扱いも、優しくされることも、慣れていない。
だからか、こんなにも戸惑い、揺らぎ、嬉しさがこみ上げる。
「……泣きそう、です」
つぶやくと、彼の手がそっと頭を撫でた。
「優しくされ慣れてないなら、これから慣れればいい。無理に笑わないで、強がらなくていい」
これから、ここから。
彼の言葉に、硬い殻の隙間から希望が差し込む。
「俺が、お前を変えてみせる」
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