二人の言い合いは結局、桜が零をぶん投げて終わった。
「いててて、桜ぁ…ひどいよ…」
「黙れ。ゆーれいのくせに触れるのが悪い。」
「二人とも、ほんと、仲が良いね!」
「「誰が仲が良い、だ!」」
あ、ハモった。
「というか、みつきはどこだ?」
「あ、平賀先輩置いてきちゃった。」
急いで電話を掛ける。
多分、十回は謝った。
私を眺めながら、桜と零がニヤニヤとしている。あぁ、なんて事だ…
電話を切って二人に向き直る。極上のスマイルで。
「二人とも、似たような顔でニヤニヤしてたよ?なんか、恋人みたいだったよ!」
二人が真っ赤になったのを眺めながら、笑う。
私と平賀先輩だけが知ってる。この二人が両思いなことを。あぁ、面白いなぁ二人とも。
ちなみに、この二人のどっちが先に告白するかを平賀先輩と懸けている。私は桜に懸けている。勢いで好きって叫びそうだからね。
あぁ、たのしー!
そんなこんなのうちに平賀先輩が帰ってきた。
「二人はどうでした?」
「まだですよ…あぁ、はやくどっちからか告白するかな…」
平賀先輩と二人に聞こえないように小声で話す。
「みつきー、早く会議始めようぜ」
「小百合、コーヒー運ぶの手伝って!」
はいはい、と平賀先輩と答える。
久し振りの会議だ。確か、最後の会議は数ヶ月前の事件だったな。桜と零が犯罪グループに潜入、蹴散らした時のだ。
「それじゃ、始めよう。まず野花さん、報告を。」
「だから、僕のことは桜でいいよ!
まぁ、いいや。まず、小百合には渡したけど渡してない二人にこの資料を渡すから。」
桜が持っている資料を平賀先輩と零に渡す。私は先刻渡された資料を眺めた。
「これは遺体の胃の内容物だ。見てわかる通り、何種類もの薬物が検出された。この量を無理矢理飲ますのはまず無理だ。多分、」
「自分から毒を煽った。カルトが絡んでるな。」
零が答える。
「そうだ。でも、ゆーれいのくせに先読みできるなんてな。」
桜は零がイラっとした顔を楽しそうに一瞥したあと、全員に向き直った。
「僕からの報告は以上です。」
「じゃあ、次。零、頼んでたことの報告を。」
「はいはい。
みつきに頼まれてたのは、ここ半年のうちに行方不明となった女性についてだ。」
いつの間に、零に頼み事をしたんだろう。零は喋りながらホワイトボードに数枚の写真を貼っていく。
「年齢等から推測して、この四人の誰かが被害者だ。でも、捜索願いが出されていない人もいるだろうから、まだわからない。以上だ。」
桜がはい、と手を挙げた。
「多分、その四人じゃないよ。遺体の顔と全く違うから。仮に整形をしていたとしても、整形の跡がなかったから違う。ね、小百合。」
急に振られたから、「え、あ、うん」という微妙な返答になってしまった。
指摘された通り、遺体の顔と似た人物の写真はなかった。
「まぁ、捜査は明日から本格的に始める。だから今日はゆっくり休んでおいてください。それじゃ、会議は終わりにします。」
ふぅっとため息をついて先刻淹れたコーヒーを一口飲んだ。………ぬるい。
「あ、そうだ!きのうの続きやろう!ちょうどゆーれいも帰ってきたし!」
桜が言った。言いながらゲームをセットしだす。
「まさか、きのう俺抜きでゲームしてたのか?ずるいぞ!」
「零もやるなら、タッグバトルができますね!」
「私も参加する!」
「じゃあ、決まりだな。」
明日から捜査が始まる。でも、楽しむことも大切だ!
こうして、事件始まりの夜は過ぎていく。
「いててて、桜ぁ…ひどいよ…」
「黙れ。ゆーれいのくせに触れるのが悪い。」
「二人とも、ほんと、仲が良いね!」
「「誰が仲が良い、だ!」」
あ、ハモった。
「というか、みつきはどこだ?」
「あ、平賀先輩置いてきちゃった。」
急いで電話を掛ける。
多分、十回は謝った。
私を眺めながら、桜と零がニヤニヤとしている。あぁ、なんて事だ…
電話を切って二人に向き直る。極上のスマイルで。
「二人とも、似たような顔でニヤニヤしてたよ?なんか、恋人みたいだったよ!」
二人が真っ赤になったのを眺めながら、笑う。
私と平賀先輩だけが知ってる。この二人が両思いなことを。あぁ、面白いなぁ二人とも。
ちなみに、この二人のどっちが先に告白するかを平賀先輩と懸けている。私は桜に懸けている。勢いで好きって叫びそうだからね。
あぁ、たのしー!
そんなこんなのうちに平賀先輩が帰ってきた。
「二人はどうでした?」
「まだですよ…あぁ、はやくどっちからか告白するかな…」
平賀先輩と二人に聞こえないように小声で話す。
「みつきー、早く会議始めようぜ」
「小百合、コーヒー運ぶの手伝って!」
はいはい、と平賀先輩と答える。
久し振りの会議だ。確か、最後の会議は数ヶ月前の事件だったな。桜と零が犯罪グループに潜入、蹴散らした時のだ。
「それじゃ、始めよう。まず野花さん、報告を。」
「だから、僕のことは桜でいいよ!
まぁ、いいや。まず、小百合には渡したけど渡してない二人にこの資料を渡すから。」
桜が持っている資料を平賀先輩と零に渡す。私は先刻渡された資料を眺めた。
「これは遺体の胃の内容物だ。見てわかる通り、何種類もの薬物が検出された。この量を無理矢理飲ますのはまず無理だ。多分、」
「自分から毒を煽った。カルトが絡んでるな。」
零が答える。
「そうだ。でも、ゆーれいのくせに先読みできるなんてな。」
桜は零がイラっとした顔を楽しそうに一瞥したあと、全員に向き直った。
「僕からの報告は以上です。」
「じゃあ、次。零、頼んでたことの報告を。」
「はいはい。
みつきに頼まれてたのは、ここ半年のうちに行方不明となった女性についてだ。」
いつの間に、零に頼み事をしたんだろう。零は喋りながらホワイトボードに数枚の写真を貼っていく。
「年齢等から推測して、この四人の誰かが被害者だ。でも、捜索願いが出されていない人もいるだろうから、まだわからない。以上だ。」
桜がはい、と手を挙げた。
「多分、その四人じゃないよ。遺体の顔と全く違うから。仮に整形をしていたとしても、整形の跡がなかったから違う。ね、小百合。」
急に振られたから、「え、あ、うん」という微妙な返答になってしまった。
指摘された通り、遺体の顔と似た人物の写真はなかった。
「まぁ、捜査は明日から本格的に始める。だから今日はゆっくり休んでおいてください。それじゃ、会議は終わりにします。」
ふぅっとため息をついて先刻淹れたコーヒーを一口飲んだ。………ぬるい。
「あ、そうだ!きのうの続きやろう!ちょうどゆーれいも帰ってきたし!」
桜が言った。言いながらゲームをセットしだす。
「まさか、きのう俺抜きでゲームしてたのか?ずるいぞ!」
「零もやるなら、タッグバトルができますね!」
「私も参加する!」
「じゃあ、決まりだな。」
明日から捜査が始まる。でも、楽しむことも大切だ!
こうして、事件始まりの夜は過ぎていく。