結衣に呼ばれたわけでもなかったので
体に相当な影響を受けながらも
最後まで夢天使は話し続けた

夢天使が戻ると美海は何か思い立ち
精霊神を呼び出した


『聞きたいことはわかります

この国の外れにある村で大規模な
夢を扱う実験をしている人がいると
聞いたことがあります

しかし今行くことはお勧めできません
その村はかつて倒された魔王の
手下たちが村人を支配しています
きっと魔力が無くなることと
少なからず関係しているはずです
助けたい気持ちはわかりますが
今行くことは危険です
自ら死を選ぶようなものです』


「それでも行かなきゃ結衣が…」

泣きそうになるのを必死にこらえ
なにか方法か無いのと言いたそうだった


『やつらを倒す唯一の方法は

光です

この世の全てを光で包み籠めるほどの
魔力をもった光

今現在この条件を満たす
光属性の魔法使いはいません』


「何人かの魔力を合わせるのは駄目?」


結衣の手を握りながら睦月は尋ねた


『不可能では無いとは思いますが
合わせる魔力の波動が似ていなければ
合わせることはできません

そんなに波動が合う魔法使いが
この世にいるか…』


「居るわよ

私と緋優ならきっと合うわ

緋優は特に私に似ているのだから」

睦月は自分と緋優ならばできるはずと
言い出した
もちろんこれを優翔が許すはずもなく


「自分が何をいっているかわかるのか?

睦月はこの国の女王だぞ

簡単に全線に出て戦うなんて…」


「それでも私と緋優でやらなければ

自分の娘さえ救えないのに
この国の民をどうして救えるのですか

お願いします
行かせてください!」