「遠足のときも本当はお弁当持参だったでしょ? うち、お父さんが亡くなってからお母さんが必死に働いてくれてるの。朝も早いし、夜も遅い。だから、お弁当作ってなんて頼めなくて。自分で作ろうかなとも思って一度チャレンジしたんだけどぜんぜんダメだった」
「そっか」
「なんかね、いろいろ考えちゃうの。もしもこれ以上お母さんに負担をかけて、お母さんまで病気になったらって。そう思ったら……すごく怖いの。もう大切な人を誰ひとり失いたくない」
「奥山……」
「あたしの中の時計の針は5年前から動いていない気がするんだ……」
本心がこぼれ落ちた。
5年間誰にも言えず、ずっと溜めこんでいた本心。
言い終えると、ポロリと涙がこぼれた。
「ご、ごめん!!」
泣くつもりなんかなかったのに。
あわてて涙をぬぐっても、ぽろぽろと自分の意思に反して涙がこぼれ落ちる。
「そっか」
「なんかね、いろいろ考えちゃうの。もしもこれ以上お母さんに負担をかけて、お母さんまで病気になったらって。そう思ったら……すごく怖いの。もう大切な人を誰ひとり失いたくない」
「奥山……」
「あたしの中の時計の針は5年前から動いていない気がするんだ……」
本心がこぼれ落ちた。
5年間誰にも言えず、ずっと溜めこんでいた本心。
言い終えると、ポロリと涙がこぼれた。
「ご、ごめん!!」
泣くつもりなんかなかったのに。
あわてて涙をぬぐっても、ぽろぽろと自分の意思に反して涙がこぼれ落ちる。