【康太って】

次の英語は、能力別の移動教室。
松坂くんは、頭が良いのでこの英語だけは
死ぬ気で猛勉強している。
お陰で、成績は珍しくトップクラス
しかし、隣の席はまたもや遠藤康太。
松坂くんは後ろの席で、観察することすら出来ない。

「では、ここの訳を遠藤読んでみろ。」

「あっはい!あれ?おかしいな教科書が…」

「日向さん、教科書見せてくれない?俺忘れちゃって…」

「いいよ。はい。」

あれ?さっき遠藤くん教科書持ってたのに…

机をくっつけ教科書を見せる。

「ありがとう!助かったよ。」

「いやいや全然さっきの文よく訳せたね。」

「いや、日向さんと同じクラスだしさ、」

「そうなんだ!」

よく考えれば、同じ英語のクラスなのだから、
英語は得意なのだろう
しかしそういうよく分からないセリフはスルーする。
松坂くん以外に言われても嬉しくない。
遠藤くんは、熱中症なのだろうか?やたら顔が赤い。