「水谷、すごいじゃないか!!どの教科も全部70点以上だぞ?!」

テストが終わって3日。

担任の川崎が私を職員室に呼んで褒めまくる。


「当たり前じゃん!私が頑張ればテストの1つや2つ…」

「俺からも黒瀬に礼を言わなきゃなー」

私の成績を眺めながら川崎がそういう。


黒瀬の名前が出てきて、少しイラっとする。

「なんで川崎が黒瀬にいちいち…」

「バカッ!お前みたいなアホがこんな点数取れたの、黒瀬のおかげだろ!」

「別にあいつは何も…」

あの日以来、黒瀬とは口を聞いていない。
というか、私と黒瀬が話すの、テスト勉強してる時くらいだったし。

テストが終わった今、関わることなんかないわけで。

「ちゃんとお礼言えよ?」

無理だよ。
お礼言うどころか、黒瀬のこと引っ叩いたし。

いくら嫌いでクラスの嫌われものだからって、少しくらい叩いて悪かったって申し訳ない気持ちくらいある。


でも黒瀬はきっと怒ってる。

私も…あのセリフにはムカついたし。


「黒瀬はもう関係ないもん!」

私は一言そうはいてから、職員室を後にした。