「莉子〜!この間の西高のイケメンが、莉子のこと可愛いって狙ってるらしいよ?」

「え〜〜うそ〜〜♪」
黒瀬のうちにきて一週間。

黒瀬は相変わらずクラスの嫌われ者で、私はクラの人気者。

住んでる場所は同じだけど、住む世界は違う。


「今度また集まろーだってー!」

「いぇーい!!集まろ!集まろー!」

「水谷〜〜。ちょっと」

放課後、また担任の川崎に呼ばれる。

なんでこいつはいつも絶妙なタイミングで出て来るんだよ。


私は優子に「すぐ戻るから」と言って、川崎の後についていく。


今度はなんなのさ。
日直の仕事だってちゃんとやったのに。


ガラッ

川崎が職員室のドアを開けて入り、自分のデスクの横にパイプ椅子を置いた。


「座れ」

「ほーい」

褒められる空気じゃないのは確かだ。


「なに?だるいからパパッとお願いね〜〜」

「へー。そういうこと言うのね〜〜」
おかま口調な川崎は何か企んでる顔をしてて怖い。

「何よ!」

「これ」

川崎はそう言って、一枚の資料を私に渡した。