一番窓側に座っている 女子生徒。

名前は森﨑真里。

英語が苦手なのか、
よくわからなくて困っている
表情をしている。
が、普段は笑顔が愛らしい。
普通といえば普通な生徒だった。
そんな目立つところはないこの子に
俺は妙に惹かれた。

｢せ、せんせー…｣

｢ん、なんだ森﨑？｣

｢ここが分からないです…｣

オドオドしながら近寄ってきた森﨑は
手に持ったプリントの質問に指さす。

｢あぁ、ここはね……｣

触れるか触れないか程に近づいている
森﨑はいい匂いがした…
シャンプーの匂いだろうか…。
なんて思われてるなんて気づいてないんだろうな…。

｢せんせ？…｣

｢あっ……ごめんごめん。｣

俺は何をこんなにも意識しているのだろうか。
少し気に入っているだけなのに。
そんな時星野が割り込んできた。

｢せんせー！！ここわからーん！｣

｢おいおい待ってろよ、星野｣

｢あ…星野ちゃんいいよ。私もう大丈夫だから ｣

｢ありがとー笑!｣

星野っ…
俺は何を悔しがってるのかは分からないがなんかもどかしい気持ちに襲われた。

席に戻っていく森﨑をただただ見つめていた。