世界のまんなかで笑うキミへのレビュー一覧
平均評価星数
5.0
2016/09/13 07:38
投稿者:
紫月 瑠維
さん
爽やかで眩しくて、けれど切ない
絵画コンクールで賞を逃し、それ以来「見てもらえる塗り方」を模索して絵を描くことが苦しくなってしまった主人公と、太陽みたいに人の輪の中にいるのに、時折透明になって姿を消してしまう少年。 世界のまんなかにいるような彼と過ごしながら、主人公は忘れていた大切なことを思い出していきます。 主人公の葛藤、それから成長していく様子がとても丁寧に描かれていて、絵を描かない私でも、ありありとその心情を追体験出来ました。 相沢ちせさんの文章は、水のようにすらすらと心に入ってきます。主人公と一緒に颯くんに出会い、キュンとして、彼の言葉にはっとさせられて、物語が進むごとに、彼の隠された秘密にも気がついていく。 少しずつ読んでいくつもりだったのに、あっという間に惹き込まれて気が付いたら読み終えてしまっていました。もちろん、読了感も爽やかでした。 是非、ご一読を。
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