合う、のだろうか。彼は私の絵を好きだと言ってくれる。颯の考え方も、意外だったけど納得できるところがあった。


私はひねくれものだけど、颯と一緒にいること自体は特に苦痛じゃないことも、もう気づいていた。


彼の人のいい部分を知る度、苦しくはなったけれど、彼のどこか切ない笑みは、私の心を惹き付けるものがあった。


だけど颯は、私のことをどう思っているのだろう。


彼が私にかまう理由も、未だによくわかっていない。もしかしたらもう本当に、私と颯はこれきりかもしれない。


颯はきまぐれに私にかまっただけという可能性もある。そう思うと、それが自然であるように感じた。


昨日感じた、颯がいる風景を見たときの、あの込み上げるような衝動は、今も私の心を震わせる。二度と忘れられないだろう。


だけど颯がこれきりというつもりなら、もうあの衝動とは出会えないだろう。


当たり前のことなのに、それを寂しく思っている自分に気づいて、小さくため息をついた。





学校が終わり、美術室へ行こうと私は自分の教室を出た。