太陽がなきゃ、私達は生きていけない。だから太陽は偉大で、銀河系の中心に据えられるのは当然だ。
私が首を傾げると、颯はまた苦笑いを浮かべて、私の頭を雑に撫で回した。
「ちょ、髪崩れる」
「もともと風でぐしゃぐしゃだったよ」
「ひ、ひど……っ、整える暇なかったから………」
目を動かして、彼の指の隙間からその顔を見上げる。
………颯はやさしく目を細めて、私を見ていた。
「理央は、どう思う?」
尋ねられて、私は口を閉じた。少しの間考える。
地球っていう規模で考えても、あまりに世界は広い。日本っていう規模で考えても、やっぱり広すぎる。
なのに、そんな地球でさえも『大きなもの』を中心に回っているという。
……確かに寂しいかもしれないな、と思った。
ひとりの人間としての私はあまりに小さくて、周りのいろんなものに動かされて生きている。
それは当然のことで、だけど私はそれが悲しくて、今、筆を置いている。