中学の頃も美術部だったけれど、他の部員が嫌がる物体デッサンの練習も、頑張ってした。
人物のクロッキーだって、たくさんした。
そこそこ上手いのは当たり前だ。自分でもわかってる。
でも、それだけじゃダメなんだ。
「……『上手い』っていうのは、ただ見たまんま、完璧に写し取って描けるってことだけじゃないんだよ。誰かの心に残るような魅力がなきゃ、上手くないんだ」
ふわふわしていて、曖昧で。
口で模範的な説明ができるようなものじゃないから、わからなくなって不安になる。
『人を惹きつける魅力』とか、『人の心を動かす魅力』とか。
私の絵には、それが足りないらしい。