羨ましいほど、透明で美しい瞳。


彼が私に手を伸ばした。

その手は私の頬に触れ、そして、涙を拭った。



「……あ、ごめん……私………」



いつのまにか泣いていた自分に驚いた。

橋倉くんは笑わず、ただ静かに「謝らなくていいよ」と言った。



「……中野さん、さ。このあいだ、自分の絵を『上手くない』って言ってたけど、実際上手いと思うよ。中野さんくらい描けるひと、この学校にいないと思う」

「…………うん」



そうだね。

それは、そうかもしれない。


「だけどそんなの、ただの偶然だよ。他の学校には、私より上手い人なんか、たくさんいる……」


自分が、並の人より描けることは知ってる。

たくさん描いてきたんだから、当たり前だ。