颯は私の反応をひとしきり笑ったあと、「嘘だよ」と言った。 「俺の世界のまんなかにいんのは、理央だよ」 彼の凛とした声が、空気を震わせた。 長いまつげを伏せた颯は、なんだか幻想的で、とても綺麗で。 一瞬見惚れた私に、颯は無邪気な笑顔を見せた。 私が好きな、世界のまんなかで笑うきみ。 目が合って、私は笑いながら「だったら嬉しい」と言った。 颯の笑顔は、満天の星空でいちばん輝いて見えた。