そのくらいに信じられなくて驚いて、その分嬉しくて。



「そうだよね。じゃあ、信じてくれてありがとう、だね」



私の言葉に、颯は優しく目を細めた。


諦めたくなかった私の意志を、受け取ってくれてありがとう。



公園を出て、駅まで歩く。


空が桃色とも紫色ともとれる色に染まっていて、なんだか幻想的だった。




「才能だと思うよ」




ふいに、颯が言った。


え?と言って、振り返る。彼は穏やかな表情で、私を見つめていた。



「簡単に諦めようとしないところ。理央の才能だと思う。誰にでも持てる可能性はあるけど、実際は誰にでも持てる訳じゃない。『諦めない才能』だよ」



あきらめない、才能。


何も言えなくなって、立ち止まる。


そんなことを言われたのは初めてで、驚いた。目を見開いて彼を見つめていた。