「………そ、颯が言ってくれたことも、ちゃんとわかるよ。私だって、息抜きとして好きなように颯を描いてるし。だから、ま、間違ってはないんだよ」
つたない言葉で、必死に話す。
わかってほしい。
颯が私のことを考えて言ってくれたんだって、ちゃんとわかってるって。
そんな私を見て、颯は目を細める。
「うん」と言って、彼はそのまま前を向いた。
それからは何も言わず、歩き始める。
「………………」
どうすることもできず、私は困った。
機嫌を損ねたりしていないといいな、と思いながら、仕方なく私も歩き始める。
…………難しいな。
言葉で自分の気持ちを伝えるというのは、実はすごく難しいことだと、いまいち心の読めない颯の隣を歩きながら思った。