「……え、寝るの?」
「寝るかも。ごめん」
「い、いいけど……眠いなら、帰ったら」
「えー、そーゆーことじゃねーんだよ。わかってねーなー理央は」
どういうことだ。わからないからちゃんと説明してほしい。
失礼な物言いにムッとしながら、寝転がった彼の隣に座る。
本当にこの人は自由だ。
あんなに楽しそうにしてたのに結局寝るのか、とちょっと呆れた。
「あー、眠くなるなあ」
私がいそいそと準備をする中、颯は早くも目を閉じた。
確かに今日は久しぶりの晴れで、カラッとした暖かい気温だ。日向ぼっこをしている気分になる。
颯を見ていると、こちらまで眠くなりそうだ。
筆箱からシャーペンを取り出しながら、すぐ隣に人がいる中で描くのも、なんだか新鮮でいいなあと思った。
ふとしたとき、寂しくない。暖かい気持ちになれる。