「俺よりテンション高くね?いっつもあんな感じなん?」

「……うん。まあ………」

「へー。あれですげー絵上手いんだよな?おもしれー」


いつも通り、楽しそうに笑う颯。


だけど私の顔がいつまでも暗いまま
だからか、彼はふと黙って、私の顔をのぞきこんだ。


「!」

「……俺は絵のことはよくわかんないけど、そんな思い詰めた顔してると、ろくなアイデア出ないんじゃねーの」


指摘されて、ぐっと言葉につまる。


……確かにそうだ。


こんな風に悩んだって、たぶん結論は出ない。紙と筆記具と絵の具を前にして、ようやく考え始めることができる話だ、これは。


「………それは、そうだけど……」

「まだ時間はあるんだろ?急いで結論出す必要ないじゃん」


颯は、どこまでもマイペースだ。


なんていうか、余裕がある。何事もどっしり構えていられる節がある。


それが羨ましくもあり、反面少しムカついた。


颯の言う通り、まだ一ヶ月は時間がある。だけど急いで考えないと、結論が出せないと思ってしまうんだ。