「昨日……色々、不安にさせて。俺も動揺してて大したフォローもできなくて、ほんとごめん!理央の目がおかしいんじゃないから、そこは安心して」

「……………」


私は驚いて、何も言えなかった。


彼も考えていたのか。私の顔を見るなり、まず謝罪だなんて。


なんだか気が抜けて、「……いいよ」と一言返した。



「顔、上げて。颯」



ゆっくりと、顔があげられる。


彼は唇を噛んで、思い詰めたような表情をしていた。まるで、叱られるのを待つ子供みたいだ。


「……もう、いいよ。私は大丈夫だから。それより、颯の方が心配だよ」

「……………」


原因がなんなのか心当たりがあるなら、ちゃんとそれを突き止めて、解決しなければ。


身体が透けるようになった原因だなんて、どう考えても非科学的な何かとしか思えないけれど、もうもはや何が起ころうと不思議じゃない気がした。私はこの目で、非科学的な現象を見たのだから。



「…………理央、あのさ。そのこと、なんだけど」



颯は目を伏せて、迷うような顔をした。そして一度ぎゅっと目を閉じると、再び私を見た。