颯が何かを言うと、子供たちは耳をすませる。そして次の瞬間には、みんなで笑い合っている。
私はその様子を見て、目を細めた。
颯。
きみは本当に、太陽みたいだ。
どこにいっても人を惹き付け、笑顔を生み出す。
瞬く間にその世界の大きな歯車になって、周りを動かしてしまう。
私にはできないことを簡単にやってのけるきみが羨ましくて、眩しくて、妬ましくて。
………だからこそ私の目には、きみだけがこんなにも色鮮やかに見えるのだろう。
無意識に、決定してしまいたくなるんだ。
颯をこの世界の、一枚の絵の、主役にすること。彼をまんなかにして、すべてを動かすことを。
そう思わせるのは間違いなく、彼の才能だ。
私の、憧れのすべて。
数ヵ月前、私はこの店の絵を描いた。キャストは今とほとんど変わらない。店主のおばあちゃんと、子供たち。
……だけど颯が加わった今、目の前の駄菓子屋の店内は、ようやく足りないものが補われて完成した絵画のように、私の目に映った。
*
「あ、美味い」
それから少しして、私と颯は駄菓子屋でアイスを買った。