達也が学校に来なくなってから1週間

突然達也はやってきた

「はよ」

「っ...!!!」

来てくれた嬉しさと驚きが入り交じり声が出なかった

「ちょっと来てくれる?」

「う...ん」

達也に連れてこられたのは空き教室だった

「俺、実家の方に帰ってたんだ。じーちゃんとばーちゃんが住んでるんだけどその近くに両親の墓があってさ、話してきた。
それとねーちゃんにも話した。
そろそろ俺も前見なくちゃって思って、自分の中で区切りをつけてきたんだ。」

「そっか」

あの時、消えてしまいそうだった達也は一週間見ない間に成長してしまったようだ

瞳には強い光を宿していた

「吉岡」

不意に名前を呼ばれドキッとする

もしかしたらこの時が初めてだったかな

私の名前を呼んだのは

「吉岡が話聞いてくれたから多分前向くことができたんだと思う。ありがとう」

そう言って柔らかく微笑んだ

この時ストンと何かが落ちたんだ

私は気づいてしまった

この人のことを愛しいと思っていること

どうしようもなく惹かれているということ

成瀬達也に恋をしているということ

自分で気づいてしまった瞬間顔が熱くなるのを感じる

「吉岡?熱でもあるの?」

名前を呼ばれる度、貴方が私を見る度に高鳴る鼓動

鼓動の音が貴方に聞こえそうで焦る

「な、なんでもないっ!」

「?」

達也は不思議そうにしてるけどここは無視だ