「あ...」

窓の外を見るとどんよりとした雲が空一面を覆っている

「達也、そろそろ帰りな。もしかしたら雨降るかもしれない」

「本当だ。じゃぁまた明日来るからな」

「テスト近いんでしょ?無理しないでね」

「大丈夫だよ。俺を舐めんな」

「そうだね。またね」

「また明日」

達也は病気のことを告白してから毎日“また明日”っていう言葉を使う

理由はわかってる

はっきりいって達也の生活が心配だ

私のところに毎日のように通ってるせいで勉強の方は大丈夫なのかとかちゃんと規則正しい生活をしているのかとか...

心配なことがたくさんある

カラカラカラ

「?」

ドアの方を見るとお母さんがいた

「体調は大丈夫?」

「今は調子がいいの。大丈夫だよ」

「そう。お父さんねこのごろ毎日千夏のこときいてくるのよ。よほどあなたのことが心配なのね。」

「照れるね」

「ふふ、仕事で休みの日しか来れないからお父さん余計心配なのね。」

「うん。」

「夏にでもみんなで旅行に行こうか」

「うん。行きたい」

「達也くんも誘おうね。沢山思いで作らなきゃね。」

「海の見えるところに行こう。空が綺麗で、海が見えるとこ」

「そうね。お父さんと話してみるわね」

「うん!」