「それじゃぁ俺帰るな。明日学校終わったらまた来るから。」


外を見ると窓の外は明るいオレンジ色に染まっていた


「わかった。また明日ね」


「また明日」


そう言って達也は病室を後にした


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「具合は大丈夫?」

しばらくして母が入ってきた

「お父さんは?」

「学校とか会社とかいろいろ連絡するところがあるから今日は帰ったわ
また明日来るからね」

「そっか」


いつからだろう

気づいたら気づいたら父と関わることがなくなっていた

「達也くんだっけ?話したいこと話せた?」

優しく問いかける母の声に溜まっていたものが流れ出るように涙が溢れ出す

「達也ね、夏祭り一緒に行こうって、花火大会もクリスマスもお正月もお花見も一緒に行こうって...。
来年も再来年もその次も次も...一緒にいようって...。
凄く、嬉しかった。
でも、私はいつまで生きられるかわからない。
もしかしたらもっと早く死んじゃうかもしれない。
達也の気持ちはすごく嬉しくて私もずっと一緒にいたいって思うけど、その反面怖い!!!
失うのが怖い...。」


溜め込んでいたものが次から次へと溢れ出す


その間、母は私の背中をさすりながら涙を目に浮かべて頷いていた


困らせてるってわかってる


こんな事言ったって困らせてるだけだってわかってる

でも、止まらなかったんだ。