唇が触れたのは一瞬で目を開ければ目の前に達也がいる


私は何を伝えればいいのかわからなくなって達也の胸に顔をうずめながらギュッと抱きしめる


“愛しい”


ただこの気持ちだけが胸の中を支配していた


達「もうすぐ夏だな」



不意に達也が言う(携帯で)


「そうだね」


「夏祭り一緒に行こう」


「うん」


「夏祭りも花火大会も、クリスマスもお正月も、お花見も一緒にやろう」


「うん」


涙が出そうになりグッとこらえる


「それで、また夏が来て夏祭り行って花火大会行って、クリスマスやって...
千夏はまだ死なない。死んじゃいけないんだ。俺との思い出沢山作らないと。
何年だって一緒にいような。」


私はいつまで生きられるかわからない

余命わずか2年

早まるかもしれないし、もっと長く生きられるかもしれない

いつまで生きられるかわからない

だからこそ、何年か先達也の隣にいるかもわからない


今、この時、この瞬間を大切に生きていかなければならないと思った