「うん。私も...達也が好きだよ。」


気がついたらそう言っていた


うまく言葉になって達也の耳に届いたかはわからない


耳が聴こえないから...


でも、届いたと思う


達也の顔を見ればそんなの一目同然で、私は達也を思いっきり抱きしめた


不安はある


沢山の不安が胸の中を埋め尽くしてるし、いつか後悔する時がくるかもしれない


それでもいいと思えた


やらないで後悔するよりやって後悔した方がいい


これから先、大変なことがきっと数え切れないほどあると思う


そんな時こそ達也と頑張っていこうと思った



「大好き」


私がそうつぶやくと


「俺は愛してる」



抱きしめ返してきてそう言ってくれた気がした



達也の声は千夏には届かない


けれど達也の思いはきっと千夏に届くだろう