俺はそっと誕生日の日にあげたはずの指輪を握りしめた

「千夏のお母さん...ありがとうございます。」

涙は止まらなくて声も震えているけどそれでもいいと思った

「俺、千夏の墓に行ってきます。」

「えぇ。行ってらっしゃい。」

「はい。」

「達也くん。私たちが会うのはこれで最後よ」

「え...?」

「千夏も言ってたでしょう?前を向きなさいって」

「はい...。」

「千夏とのことは寂しいけどしっかりと思い出にするの。それが千夏からの最後の願いだから...。

だから、私たちも今日で会うのはおしまい。
でも、お墓参りとかで会ったときは、またお話しましょうね。」

「はいっ。今まで本当にありがとうございました!」

「いいのよ」

「それじゃぁ、失礼します」

「えぇ」

優しく微笑みかけながら見送ってくれた