そして、ゆっくりと携帯の画面を達也に向ける


「...。」


無言で画面を食い入るように見る


その沈黙に耐えられなくなって私は俯く



達也の反応が怖い


どんな反応をするんだろう


不安で仕方がない


ふいに達也が立ち上がる気配がした



あぁ。やっぱり拒絶されたのかな?

何も反応せずに帰っちゃうのかな?

それは...一番きついなぁ


「?!」



急に暖かい温もりに包まれる


彼の身体は少し震えている



泣いてる


顔は見えないけど直感でそう感じた



「達也...」



声になっているのかわからない声で彼の名前を呼ぶ


初めて彼のことを名前で呼んだ


達也はピクリと反応した



私は彼への愛しさが増してギュッと抱きしめ返す



彼の声が聴きたい

今何を思っているのか、声で聴きたい


叶わぬ思いを胸に抱く