「お前ら何してんだよ」




顔を上げると、隼人が高田の肩を掴んでいた。


「な…」


高田が怯んだ隙に、私は3人の間をすり抜けて、隼人の隣に行った。


怖くて、隼人の服の裾をぎゅっと掴む。



そんな私を見て、隼人は眉を潜めた。



「…お前ら、凛に何した?」

「は?な、なんもしてねーよ。ただ、本当のこと言っただけで…」


隼人の姿を見てか、高田が怖気付く。


隼人は高田の顔をじーっと見た。

「…お前、高田か?」



…あ。

隼人、思い出したんだ…。



「は?なんで俺のこと知って…」

「忘れた?小2の時転校した、船越隼人」

「船越隼人…?」


少し間が空いて、高田が笑った。



「ああ!船越かよ!あのチビで泣き虫で、吉永の後ろに隠れてた!」


あとの2人は、?という顔をしてた。



「こいつ、すっげー弱虫でいじめられてたんだよ!いっつも吉永に守られててさ、すげーダサかった!」


それを聞くと、あとの2人も笑い出す。



「マジで!?なのにこんなカッコつけてんの!?ダサ!」

「高校デビューってやつ?ウケるんだけど!」


…隼人……っ


隼人が傷ついちゃう…!



ちらっと隼人の顔を見ると、無表情。


ただ、目が怖い。



笑ってた高田たちは、だんだん黙り出す。



「…気は済んだか?」


隼人の低い声がめちゃくちゃ怖くて、高田たちが萎縮する感じがした。



隼人はツカツカと歩み寄って、高田の胸ぐらをガッと掴んだ。