「あ、ここだよ」


階段を降りて、売店に着いた。


昼休みなだけあって、売店はそこそこ混んでるけど、自販機は空いてる。



「…あっ!」

「?なに?」


売店前にたむろしてる集団の中に、嫌なヤツを見つけた。


…高田だ。



髪は明るめで、チャラそう。

集団でいて、買い物したい人たちの邪魔になってる。



姿見られたらなんかからかわれるかも。



「ごめん、そこの中庭で待ってるね!」

「え?おい…」


私はその場を離れた。


売店のすぐ横の入り口から、中庭に出た。



「はあ…」



校舎の壁にもたれかかってため息をつく。


中庭はそんなに人がいなかった。



まだ高校一年生なのに、あと2年半以上もこうやって姿を見つけては逃げて、を繰り返さなきゃいけないんだ。


なんだか、情けないなあ…



「あれ、吉永じゃね?」


!!!



この声、まさか…!?