………へ?



クラスがまた静まり返る。


みんな、私たちの方に注目してる。



「…?」


荒川くんが眉をひそめて周りを見た瞬間、みんなすぐに目線を逸らし、慌てて会話をし始めた。



…なんでこんなことになってんの?


いや、確かにひとりぼっちは嫌だったけど…


怖いんですけど!!!



「食わねーの?」


荒川くんに言われて、ハッとする。


荒川くんはパンの袋を開けて、食べ始めた。



「た、食べますっ!」


慌てて唐揚げを口に入れた。



…味が分からない。



怖すぎて。



「なあ」


「はいっ!?」



また、ビクッとする。



「なんで敬語なの?」


えっ!?


それは…怖いから!


なんて言えない。



「え、えっと…」

「タメ口で話せよ」

「は、はい」

「それ敬語だろ」

「!!!すみません!…じゃなかった!ごめん!!!」

「…ぷっ」

アワアワしていると、荒川くんが吹き出した。



「なんか…見てておもしれーな」


…あ。


荒川くんが笑ってる。



さっきまで無表情だったから、ちょっとビックリ。



顔、よく見るとあんまり怖くないかも。


…あれ?



なんだか、懐かしい感じが…。



「どうした?」


「えっ!?なんでもないよっ!」



慌てて目線をお弁当に向けた。