クラスの子は唖然とそれを見ていた



愛子はクラスの子達へ向き直り
笑顔で



「私は…ウチは恵まれてへんなんて思ったことは1度もあれへん
本物じゃぁ、あれへんけどパパもおる
大切な人がおる
学ぶことができる


本があるんや
ウチはここで何をされても心は動かへん
逆に哀れや思う
田舎やから楽しないかも知れへんけど
せやからってウチに何かすんのは筋違いや


本1つ大切にできへん奴がいっちょ前にウチのこと語らんといてや
ウチは十分
あんたらより十分恵まれてるわ」



そう言うと5人はポカンとしたままだった



言葉が難しくなにか言い返せる子はいなかった



愛子は教室に戻り体操着に着替えて本をタオルに包んでランドセルに入れた



その日から悪口も嫌がらせもピタリとやんだ