学校での悪口は途絶えてはいなかった



その日もまた、朝から言っていた



「恵まれない子といると恵まれないオーラがうつるー」



「えー、
あんなになりまくなーい」



「ちょ、
かわいそーじゃんw」



なんて言っていた



「ねーねー
なんで本ばっか読んでんのー?」



昼休み、女の子が話しかけた



愛子は驚きながら



「この本は、大切な人がくれたものだから、
それに、すごく面白いの」



そう言うと男の子が


「へぇー
どれどれ?
げっ!
漢字ばっか
読めねー
きもっ!」



と言い窓に向かって投げた愛子は慌てて追いかけた



窓の下は池がある



そう思い追いかけた



だが、追いつくわけもなく、



ポチャン



しょぼい音がした
愛子は迷わず窓から身を乗り出して池に入り本を拾い上げた