それから、何日か経っても愛子がムラに近づくことは無かった



「愛~子~…
俺もう泣いちゃうよ~??
なんで無視するの~」



そう言い走っていた愛子を後ろから抱き上げた



愛子は手足をバタバタと振り回して逃げようとした



けれどビクともせずにムラは愛子を真っ直ぐに見つめながら



「ねぇ?
なんで愛子は僕がそんなに嫌いなの??」



と、聞いたが愛子は首を横に振るばかりで何も答えなかった



けれど、離さないのを悟ったのか暴れずに



「離して、逃げないから
それから、パパを取らんといて」



と、泣きそうな顔で愛子はムラを見た



その顔を見てムラは困ったように笑い



離して、目線を合わせて



「僕が、誠と駿河をとると思ったの??」



と、優しく聞いた



すると愛子が不安そうに頷くのを見てムラは大笑いした



愛子は笑ったことに対して怒りムラを叩いた



ムラは頭に手を乗せながら取らないよ



と、優しく言った