廉は優しそうな顔で笑うと、とてもかわいい。

カラオケにいると、すぐに時間が経った。

「あたし、有地の事、落とすよ!亜佳李は廉とどうなの?」

耳打ちをして来る沙也。

「亜佳李は普通に話してただけだよ?」

「良い感じに見えたんだけどなぁ」

「それは有り得ないよ。恋なんてくだらない。男なんて、ヤるための道具だよ」

愛した事も愛された事もないあたしにとって、恋がどういうものなのか、全くわからない。

愛情なんてくだらない。

友情があればそれで良い。

「じゃあ、あたしは頑張ろっと!」

それだけを言って、沙也は有地の所へ戻って行った。

「じゃあ、俺らも行こ?」

「うん」

あたしたちは、沙也たちとは逆方向に歩く。