「茜、その男は誰だ?!」
優也は茜にこれまで男の影など感じなかった。学校の友達にしてもそうだ。優也は何も聞いたことがない。
茜の学校生活はどうなのだろうかと少し不安になってしまった優也は電話の主が気になっていた。
「学校の友達だよ。」
あっけらかんと言う茜に優也はキョトンとしていた。何でもないよと言っているような茜の態度が逆に優也は気になってしまった。
「あ・・・ああ。そうなのか?」
「うん。ただの友達。何だったのかな?後で電話かけるからいいよ。」
「・・・・・そうか」
茜が後で電話をかけると言ったのは、今、目の前にいる自分に聞かれては不味いことでもあるのだろうかと、そう解釈してしまった優也は気が気でなかった。
「急用かも知れないだろう? 今かけてみたら?」
「ああ、いいの、いいの。それより、買いたいもの見つけたのよ。こっちよ!」
電話の男の話題をしたがらない茜は何か隠しているのか?と優也は疑いの目を茜に向けていた。もしかしたら、ボーイフレンドがいたのではないか?と。