諦め半分で適当に探し回っていた優也だが、茜の携帯電話から着信音が聞こえてくるとどこからの電話か確認した。
電話の画面を恐る恐る見た優也は、もしや会長からではなかろうかとかなり冷や汗ものだった。しかし、表示された名前が見知らぬ男の名前だったことに優也は「どこのどいつだ?!」と心中穏やかではなかった。
もしかしたら学校の同級生なのかも知れないし、会長付きの秘書かも知れない。いや、会長付きの秘書なら優也だって名前は知っているがこんな名前ではなかった。
優也は、一体この男が誰でどんな関係にあるのか気になってしまい電話に出て良いものかどうかを悩んでしまった。
「くそ・・・誰だ?!」
優也は勝手に電話に出たことで、後で茜に怒られては困ると随分悩んでしまった。優也が悩んでいる内に電話は切れてしまった。
優也は「着信あり」のメッセージを暫く眺めてしまった。
「優也さん、何してるの?」
すると、どこからかいきなり茜がやって来た。
茜は預けていた携帯電話から着信のランプが点滅しているのに気付くと直ぐに電話を取り上げた。