食事をしている時も二人向かい合わせに座って食べたが、まるでその雰囲気は父と娘の光景だ。


 茜も優也もそんな光景に見えてしまうとお互いにそんな態度になってしまう。


「ごちそうさま」

「お皿を流し台へ運んだら早くお風呂に入って学校の準備をしなさい。」

「はーい」


 まるで、母親に言われている気分の茜。この分だと初夜の心配は無さそうだと感じると少し笑みを見せ始める。


 食べ終わったお皿を流し台へ運んだ茜は急いで廊下へ出ると浴室へと行った。洗面台や浴室を覗きこんではどんな所なのかを眺めていた。


 予想以上に綺麗で広い脱衣所に文句付けるところはなかったようで、茜は浴室のドアを開けて中を見ていた。浴室もマンションとは思えない広さで洗い場も広く湯船に関してはゆったりと足を延ばして入れる浅型タイプだ。


 用意されているシャンプーやボディーシャンプーなども2種類置かれていて、まだ真新しいボトルを手に取り銘柄を見ると男性向けと女性向けのシャンプーなのだと分かった。


 ボディー用のブラシやタオルも置いてあるのを見てこれを使うのだと分かると洗面所へと戻った。