「このリビングのすぐ隣に俺の寝室がある。」


 優也が指さした方にドアが見えたが、茜はそれよりも自分の寝室がどこにあるのかが知りたかった。だから、他にドアがどこにあるのか目は反対側の壁へと向かっていた。


「茜の寝室は反対側の部屋だ。リビングを出た直ぐのドアが茜の部屋になる。」


 そう聞くと茜は直ぐにリビングから廊下へと出て行きドアを探した。直ぐ隣にドアを見つけるとゆっくりドアを開けた。すると、そこにはピンクで統一された可愛い家具が置かれた如何にも10代の女の子の部屋になっていた。


 学習机は勿論置かれていた。そこには、学校で使っている教科書も辞書もノートも全て自宅と同じ様に置かれていた。机の隣にはパソコンデスクがあり最新型のノートパソコンがある。


 目立った家具は他にはサイドボードとテレビがあるくらいで、ダブルサイズはあるだろうかと言う大きなベッドが部屋の中央を占領していた。



「ここがクローゼットね。」


 ウォークインクローゼットのドアを開くとそこには自宅から運ばれた洋服だけでなく新たに購入された洋服やドレスなどまるでブティックの様に並べられていた。


 棚に沢山の箱が並んでいるのを見て、茜は幾つかの箱の蓋を開けて見た。すると、その箱には帽子やバッグなどが入っていて靴も新しく用意されたものが所狭しと並んでいた。