「おじゃましましたーっ!」

「おー、気を付けてなー」


いつの間にか、辺りは橙色に染まっていた。

みどりの宿題はいまだに終わっていないけど、さすがにもう帰ることにした。

達郎と由香に手を振り、みどりは玄関先にとめておいた自転車のカゴにかばんを入れる。


「よっし、じゃあ帰りますかー!」

「うん」


頷いて荷台に座ろうとすれば。


「あ、ちょっと待って!」


急に思い付いたように、みどりは声を上げた。


「……なに」

「柊さーん」

「だから、なに?」


「運転手交代しませんか!」


「……は?」