四人で勉強会をするから、とみどりに言われて連れて来られたのは達郎の家。
俺たちが着いたとき、すでに由香は勉強していて。その様子を見て、さすがのみどりも最初は真面目にやっていたようだった。
が。
「ごろごろごろごろー」
「みど、転がらんといて」
「ういー……」
案の定、集中力の続かなかったみどりと、呆れたようにそれを見る由香と達郎。
つい先程まで達郎の部屋にいたのに、今は何故か母屋の縁側に四人で座っていた。
正確に言うと、座っているのは三人、転がっているのが一人だ。
「そういえば、みどは宿題終わったん?」
「……えへ」
「やっぱり終わっとらんのやね」
生温い風が吹く。うるさいくらいだったセミの鳴き声は、あまり聞こえなくなった。ふと足元に視線を落とすと、バッタが跳ねていた。
「そう言う由香は終わったん?」
「うん」
「え、じゃあたっくんは!?」
「七月中に終わらせたぞー」
「うっそおー……!」
ようやく自分の状況が危機的だということに気付いたらしい。
俯せに寝転がっていたみどりはしばらくの間、足をジタバタ動かして。
「やーばいー!」
と嘆いたかと思えば、ぱたりと止めて寝返りをうった。