「1段目と2段目は僕らも見ました…3段目は…桃花だけです…」

僕が言い終わった途端、桃花の母親が物凄い力で僕の体を摑む。

「何で止めなかったの!あんた達友達なんでしょう!何で止めなかったのよ!」

桃花の父親や他の親達が必死で押さえ、『落ち着け!』『奥さんしっかりして!』と宥めようとし、しばらくしてやっと落ち着いたのか、桃花の妹を連れてまた2階へ上がっていってしまった。

そこで一旦場を引き上げ、僕達は和也の家に移り、和也の両親から話を聞かされた。

「お前達が行った家な、最初から誰も住んじゃいない。あそこはあの鏡台と髪の為だけに建てられた家なんだ。俺や他の親御さん達が子供の頃からあった…あの鏡台は実際に使われていたもの、髪の毛も本物だ。それから、お前達が見たっていう言葉。この言葉だな?」

そういって和也の父親は紙とペンを取り、何か書いて僕達に見せた。








『禁   后』