その行動に恐怖を感じたのか、桃花の妹も泣き出し、本当に緊迫した状況だった。

「おい!どうなってんだよっ?」

「知らねえよ!何なんだよこれっ?」

「とにかく外に出てうちに帰ろう!ここは危ない!」

桃花を僕を含む男3人が抱え、七海は妹の手を握り急いでその家から出た。

その間も桃花ははずっと髪をビチャビチャとしゃぶっていたが、どうしていいかわからず、とにかく大人のところへ行かなければという気持ちだった。

その空き家から一番近かった七海の家に駆け込み、大声で七海は母親を呼んだ。